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Q & Areal estate

○ 弁護士を選ぶ観点を教えてください。
1 医療事件のみを取扱う
弁護士には、@医療事件以外をメインとし、医療事件も扱う弁護士、A医療事件を主に扱う弁護士、B完全に医療事件のみを扱う弁護士、の3つのタイプがあります。
医療事件を担当するには医療訴訟についての専門的知見が必要ですので、@よりはA、AよりはBの弁護士のほうが望ましいと思います。

2 医療事件に相応の経験があり、医療訴訟に詳しい
医療事件について最終的に判断するのは裁判官(法律家)です。
経験を積んだ患者側弁護士には、日々診療記録、医学文献を読み、協力医の話を聞いていますので、医学知識があることは当然のことです。しかし、代理人弁護士の医学知識の多い少ないで、裁判の結果が決まるわけではありません。
医師ではなく弁護士を代理人とするのですから、医学知識偏重ではなく、医事訴訟の法的枠組みと主張・立証のポイントを熟知している弁護士が望ましいと思います。
医学知見も医療訴訟も進歩していますので、日々の勉強が大事です。医療訴訟の現場こそが患者側弁護士のスキルを磨く場です。担当医療訴訟事件数から、その弁護士のスキルが推測できます。
また、医療訴訟に詳しいかどうかは、医療事件についての著作があること等から推測ができます。
さらに、弁護士の実力は同業者が一番知っていますので、弁護士の知人がいれば、推薦してもらうのもよいと思います。
ネット広告、弁護士検索サイトでは、医療事件を受ける弁護士を探すことはできますが、相応の経験があり、医療訴訟に詳しいかどうかまでは分かりません。

3 意欲、情熱があること
医療事件は困難ですから、意欲、情熱のある弁護士でないと続かないように思います。
もちろん、裁判例等に照らし無理なものは無理なのですが、不合理な先例については挑戦することも必要と思います。弁護士には、積極的な攻めのタイプと慎重なタイプがいます。攻めるときは攻め、引くときは引く、バランス感覚が必要と思います。

4 意思疎通がとりやすい
医療事件は、長くかかりますので、単に優秀なだけではなく、弁護士との円滑な意思疎通も大事です。「コンタクトがとりやすいこと」、「話をよく聞きわかりやすい説明をすること」も重要でしょう。
したがって、遠い弁護士より近い弁護士のほうが望ましいでしょう。実費の点でも、近い弁護士のほうが有利です。
ただ、裁判所もwebで期日を開くようになり、弁護士への相談がズームでできるようになってきましたので、遠い、近いは以前ほど問題にはならなくなったと思います。
なお、医療訴訟に詳しく、情熱がある弁護士にはどうしても仕事が集中します。そのため、コンタクトがとりにくいこともあります。

5 その他
(1)代理人の数
大きな法律事務所でも、実際に担当する弁護士は2人のことが多いようです。弁護士の独立によって、担当弁護士が変わることがあります。
一人の法律事務所でも、必要があれば、他の法律事務所の弁護士と共同で事件を担当します。ですから、法律事務所の規模は関係ないように思います。

(2)年齢・性別
年齢・性別は、上記1〜4を判断する材料にはならないように思います。

(3)費用
費用は、どうしても気になると思います。同じサービス(役務)が提供されるなら、安いほうを選ぶでしょう。ただ、弁護士によってスキルとマインドが異なり、提供されるサービス(役務)の内容が異なるので、比較は難しいと思います。
当事務所は、書面相談で診療記録の精査と文献調査を行い、立証の見込みが低いと判断できる事案については、費用のかかる調査を奨めないようにしています。





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