本文へスキップ

産科医療の無料法律相談real estate

原因分析報告書 事例番号300001〜300145
事例番号:3000145
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:3000144
〇 「原因分析に係る質問事項および回答書」によるとメトロイリンテル挿入およびオキシトシン注射液投与による分娩誘発について口頭で説明し同意を得たとされているが、診療録に説明した内容の詳細や同意を得たことの記載がないことは一般的ではない。
〇 妊娠 41 週 4 日にメトロイリンテル挿入にて分娩誘発を行ったこと、メトロイリンテル挿入後分娩監視装置により概ね連続監視したことは一般的である。ただし、メトロイリンテルを牽引したことは基準から逸脱している。
〇 妊娠 41 週 5 日と妊娠 41 週 6 日のオキシトシン注射液の開始時投与量、ならびに分娩監視装置を概ね連続的に装着したことは基準内であるが、妊娠 41 週 5日の増量方法(5%ブドウ糖注射液 500mL にオキシトシン注射液 2.5 単位を溶解したものを 20-25 分で増量、30mL/時間増量の箇所あり)および妊娠 41 週 6 日の増量(5%ブドウ糖注射液 500mL にオキシトシン注射液 5 単位を溶解したものを 20mL/時間増量の箇所あり)は基準から逸脱している。
〇 妊娠 41 週 6 日 11 時以降に、反復する高度変動一過性徐脈および高度遅発一過性徐脈を認める状況で、オキシトシン注射液投与を中止あるいは減量せずに投与を継続したことには賛否両論がある。

事例番号:3000143
〇 分娩監視装置の紙送り記録速度を 1cm/分としたことは基準から逸脱している。

事例番号:3000142
〇 常位胎盤早期剥離の診断で母体搬送決定後にリトドリン塩酸塩注射液を投与したことには、賛否両論がある。

事例番号:3000141
□ 学会・職能団体に対して
国・地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。

事例番号:3000140
〇 妊娠 33 週 1 日に妊娠高血圧症候群で入院後、胎児発育不全および血圧上昇傾向(妊娠 34 週 0 日 179/102mmHg)が認められる状況で分娩時期を考慮せずに経過観察としたことは一般的でない。
〇 妊娠 34 週 1 日 20 時 24 分の性器出血に対して、安静・経過観察を指示したことは医学的妥当性がない。
〇 妊娠 34 週 1 日 20 時 32 分頃以降の胎児心拍数陣痛図で頻脈、基線細変動の減少、軽度遅発一過性徐脈が認められる状況で 21 時 35 分診察後、急速遂娩の準備をせず、分娩監視装置での継続監視としたことは一般的ではない。
〇 重症高血圧の状態で、リトドリン塩酸塩注射液を投与したことは一般的でない。
〇 妊娠 34 週 1 日 23 時 28 分に胎児心拍数陣痛図で「レベル 2」と判読、腹部緊満消失したため分娩監視装置を終了したこと、および妊娠 34 週 2 日 6 時 52 分に胎児心拍数の確認と 7 時 30 分に母体血圧測定を実施したことは医学的妥当性がない。
〇 妊娠 34 週 2 日 7 時 24 分からの胎児心拍数陣痛図で基線細変動の消失、反復する遅発一過性徐脈が認められる状況で「レベル 3」と判読し、医師が来棟するまで経過観察としたことは医学的妥当性がない。

事例番号:3000139
□ 学会・職能団体に対して
妊娠中の臍帯動脈の破綻の事例は極めてまれであり、その原因や病態の解明は進んでいない。事例を集積し、病態解明の研究の推進が望まれる

事例番号:3000138
〇 オキシトシン注射液の開始量(オキシトシン注射液 5 単位 1 アンプルをブドウ糖注射液 500mLに溶解し 30mL/時間で投与開始)、増量間隔および増加量(14 時 50 分から 15時 10 分、15 時 50 分から 15 時 55 分、15 時 55 分から 16 時 4 分において 5-20 分で増量、15 時 55 分から 16 時 4 分は 20mL/時間を増量)は、いずれも基準から逸脱している。
〇 妊娠 40 週 3 日 16 時 10 分に胎児機能不全と診断し、急速遂娩としたことは一般的であるが、急速遂娩の方法(鉗子分娩術を行った後に吸引分娩術を行ったこと)は選択されることは少ない。
〇 鉗子分娩、吸引分娩開始時の内診所見(児頭の位置)について記載がないことは一般的ではない。

事例番号:3000137
□ 学会・職能団体に対して
〇 正期産での PVL について集積し、その原因や発生機序に関する調査・研究を行うことが望まれる。

事例番号:3000136
□ 学会・職能団体に対して
〇 妊娠中に子宮動脈断裂をきたした事例を集積し、その病態を解明する研究を促進することが望まれる。

事例番号:3000135
□ 学会・職能団体に対して
胎児心拍数陣痛図や臍帯動脈血ガス分析値に異常を認めず、さらに出生後の経過にも異常を認めない早産児において、どの程度の頻度で脳室周囲白質軟化症がみられるのか、また、その発症機序に関する調査・研究を行うことが望まれる。

事例番号:3000134
□ 学会・職能団体に対して
脳室周囲白質軟化症の発症機序に関する調査・研究を行うことが望まれる。

事例番号:3000133
〇 妊娠 40 週 0 日に分娩誘発としたことの適応について診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 子宮収縮薬使用について書面による同意取得を行ったことは基準内あるが、メトロイリンテルの使用について有害事象を含めて説明し同意を得ていないことは基準から逸脱している。
〇 「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、メトロイリンテル挿入後に分娩監視装置を装着したことは一般的であるが、陣痛開始後に連続的胎児心拍数モニタリングを行わなかったことは基準から逸脱している。

事例番号:3000132
〇 妊娠 36 週 5 日、36 週 6 日の胎児心拍数陣痛図上、胎児の健常性を確認できない状態で胎児心拍モニタリングを終了したことは一般的ではない。

事例番号:3000131
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:3000130
〇 メトロイリンテルの挿入後、間欠的胎児心拍数聴取を行ったことは一般的ではない。
〇 「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、陣痛促進に関する妊産婦への説明を口頭のみで行い診療録に記載しなかったことは一般的ではない。

事例番号:3000129
特になし

事例番号:3000128
□ 学会・職能団体に対して
〇 原因不明の脳性麻痺の事例集積を行い、その病態についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:3000127
〇搬送元分娩機関において、分娩監視装置の紙送り記録速度を 1cm/分としたことは基準から逸脱している。
〇 搬送元分娩機関において、常位胎盤早期剥離所見が認められた後にリトドリン塩酸塩注射液を使用したことの医学的妥当性は不明である。

事例番号:3000126
〇 当該分娩機関到着時 、全身色不良 、筋緊張なく呻吟を認める状況で 、処置(血液検査)をインファント・ウォーマーで行わなかったことは選択されることの少ない対応である。
〇 在胎週数 35 週 3 日の早産児であり、自宅分娩となった児に対して、血液検査、酸素投与、保育器収容の実施後も、全身色不良、筋緊張なく呻吟が持続し低体温、低血糖を認める状況で当該分娩機関到着の約 1 時間 30 分後に高次医療機関への新生児搬送を決定したことの選択されることは少ない対応である。

事例番号:3000125
〇 妊娠 28 週 4 日受診時に子宮口開大 2 p以上を認める状況で、切迫早産の診断で管理入院とし子宮収縮抑制薬の点滴投与を行い自施設で経過をみたことについては賛否両論がある。
〇 妊娠 29 週 4 日に出血を認めた際、分娩監視装置を装着、超音波断層法を実施したことは一般的であるが、子宮頸管長 1cm と短縮を認める状況で、母体搬送を行わずに自施設で経過をみたことは選択されることは少ない。

事例番号:3000124
〇 妊娠 39 週 5 日 13 時 53 分頃から高度遷延一過性徐脈を認める状況で、努責のみで分娩経過を観察したことは医学的妥当性がない。
〇 妊娠 39 週 5 日 14 時 45 分頃から基線細変動減少、高度遷延一過性徐脈を認める状況で、急速遂娩を行わずに、微弱陣痛と判断しオキシトシン注射液による陣痛促進を行ったことは医学的妥当性がない。

事例番号:3000123
〇 妊娠 32 週 5 日の胎児心拍数陣痛図の判読(「診療体制等に関する情報」によると基線細変動あり、一過性頻脈を認め、異常がないものと判断)および外来管理としたことは一般的ではない。
〇 妊娠 33 週 1 日当該分娩機関受診後の対応(入院管理としたこと、分娩監視装置の装着、超音波断層法の実施、内診)は一般的である。
〇 当該分娩機関に入院してから 2 時間 16 分で児を娩出したことは一般的ではない。

事例番号:3000122
〇 人工破膜直後に胎児心拍数が低下(140 拍/分から 40 拍/分)し、内診で児頭が嵌入していないことを確認した時点で、児頭を挙上し、酸素投与量を増量したことは医学的妥当性があるが、内診を終了して経過観察としたことは選択されることが少ない対応である。
〇 臍帯脱出と判断した後の対応(他の医師へ報告)は一般的であるが、臍帯の還納を行ったことは選択されることが少ない対応である。

事例番号:3000121
〇 陣痛促進の適応、および説明と同意について診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 内容量が正確でない乳酸リンゲル液にオキシトシン 3 単位を溶解し 40mL/時間で投与を開始したこと、その後の増量法(開始 12 分後にオキシトシン点滴を 60mL/時間に増量)は基準から逸脱している。
〇 吸引術・子宮底圧迫法実施の適応、要約(児頭の位置)、方法(開始時刻、回数、吸引術の総牽引時間)について、診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 呼吸障害、発熱を認める新生児を、生後 1 日まで当該分娩機関で管理したことは医学的妥当性がない。

事例番号:3000120
□ 学会・職能団体に対して
分娩前後に脳梗塞を発症したと思われる症例を集積し、その原因、病態の解明および対応策の検討が望まれる。

事例番号:3000119
〇  「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、妊娠 36 週 4 日分娩誘発に関する妊産婦への説明を口頭のみで行ったこと、その内容を診療録に記載していないことは一般的ではない。
〇 オキシトシン注射液による分娩誘発に関して、分娩終了まで連続的に分娩監視装置を装着したことは一般的であるが、投与方法(5%ブドウ糖注射液 500mL にオキシトシン注射液 5 単位を溶解したものを初期投与量 20mL/時間、80mL/時間までは 30 分ごとに 20mL/時間ずつ増量、最大投与量 130mL/時間で使用)は基準から逸脱している。
〇 妊娠 37 週 3 日 12 時 10 分に胎児心拍数陣痛図上、10 分間に 6 回以上の子宮収縮を認める状況でオキシトシン注射液を増量したことは一般的ではない。
〇 妊娠 37 週 3 日 14 時 40 分に胎児心拍数陣痛図を助産師が遅発一過性徐脈と判読したことは一般的ではないが、医師に報告したことは一般的である。
〇 その報告をもとに医師が経過観察を指示したことは一般的ではない。
〇 17 時 36 分に胎児心拍数陣痛図を胎児心拍数の低下なしと判読し、子宮収縮薬を継続投与しつつ経過観察したことは一般的ではない。

事例番号:3000118
□ 学会・職能団体に対して
脳室周囲白質軟化症(PVL)は在胎 32-34 週までの早産児に発症頻度が高いことが知られているが、それ以降での発症もまれではない。在胎 34-36 週のlate preterm 児の PVL 発症の病態生理、予防に関して更なる研究の推進が望まれる。

事例番号:3000117
〇 妊娠 39 週 5 日の 15 時 50 分以降(胎児心拍数陣痛図の印字時刻)に軽度変動一過性徐脈、軽度遅発一過性徐脈が認められる状況で、分娩監視装置を終了したことは一般的ではない。
〇 妊娠 39 週 5 日 20 時 55 分から 22 時 53 分(胎児心拍数陣痛図の印字時刻)までの胎児心拍数陣痛図所見で頻脈、軽度および高度遅発一過性徐脈、軽度および高度遷延一過性徐脈が認められる状況で、保存的処置(輸液、酸素投与)のみで対応したことは一般的ではない。
〇 妊娠 39 週 5 日 23 時にオキシトシン注射液を投与開始したことは一般的ではない。
〇 オキシトシン注射液の投与の適応および妊産婦への説明内容が診療録に記載されていないことは一般的ではない。また適応、手技・方法、予想される効果、主な有害事象、緊急時の対応などについての説明と同意が文書で行われていないことは選択されることの少ない対応である。
〇 5%ブドウ糖注射液 500mL にオキシトシン注射液 5 単位を溶解したオキシトシン注射液の開始時投与量(36mL/時間で投与開始)は基準から逸脱している。また、オキシトシン注射液投与中、分娩監視装置を装着したことは一般的である。
〇 妊娠 39 週 5 日 23 時 5 分にオキシトシン注射液を中止後、妊娠 39 週 6 日 2 時頃までの胎児心拍数陣痛図所見で、胎児心拍数基線頻脈、基線細変動増加、高度遷延一過性徐脈および軽度変動一過性徐脈が認められる状況で、経過観察として経腟分娩を続行したことは一般的ではない。
〇 妊娠 39 週 6 日 2 時 6 分にオキシトシン注射液の投与を再開した際、24mL/時間で投与再開していることは基準から逸脱している。
〇 吸引分娩の適応および要約(児頭の下降度)が診療録に記載されていないことは一般的ではない。
〇 子宮底圧迫法を併用した吸引分娩の方法(吸引術 7 回、総牽引時間 51 分)は医学的妥当性がない。

事例番号:3000116
〇 分娩促進において、口頭のみの説明と同意であったことは一般的ではない。
〇 新生児蘇生について、気管挿管の実施時刻および人工呼吸の初回開始時刻
の記載がないことは一般的ではない。

事例番号:3000115
〇 常位胎盤早期剥離疑いで、帝王切開を決定してから 1 時間 40 分で児を娩出したことについては、手術室入室まで待機とされた時間があり、その理由が不明のため、医学的妥当性は不明である。

事例番号:3000114
□ 学会・職能団体に対して
陣痛開始前に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:3000113
〇 切迫早産の管理入院中の胎児心拍数陣痛図について子宮収縮や腹部緊満の所見のみを診療録に記載したことは一般的ではない。

事例番号:3000112
〇 妊娠 41 週 3 日受診時の内診より子宮口閉鎖の状況で吸湿性子宮頸管拡張材を挿入したことは選択肢のひとつであるが、使用に際して、適応、および有害事象などを含めた説明の有無について診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 子宮底圧迫法、吸引分娩の要約は、開始時の児頭の位置が診療録に記載が
ないため評価出来ない。
〇 子宮底圧迫法および吸引分娩の適応、実施時刻、開始時の児頭の位置、実施
回数の記載がないことは一般的ではない。
〇 胎児心拍数陣痛図の記録速度が 1cm/分で記録されていることは基準から
逸脱している。

事例番号:3000111
□ 学会・職能団体に対して
原因不明の脳性麻痺症例について集積し、原因や発生機序について、研究の推進が望まれる。

事例番号:3000110
〇帝王切開決定から児娩出まで 3 時間 49 分を要していることは一般的ではない。

事例番号:3000109
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:3000108
〇 妊娠 41 週 0 日の入院時から子宮底圧迫法を実施するまでの対応(連続監視のみを行い約 6 時間様子観察としたこと)は選択されることは少ない。

事例番号:3000107
特になし

事例番号:3000106 学会・職能団体に対して
〇 妊産婦の心肺停止発生率はまれであるが、迅速な対応が必要とされる。死戦期帝王切開術の適応を含め、「産婦人科診療ガイドライン-産科編2017」に示された「突然発症した妊産婦の心停止(状態)への対応」について更なる周知徹底が望まれる。

事例番号:3000105
〇 妊娠 37 週 5 日に入院後、分娩監視装置を装着したことは一般的であるが、胎児発育不全が疑われ、22 時 30 分に陣痛発来を認める状況で 22 時 45 分に分娩監視装置を終了後 23 時 45 分まで分娩監視装置を装着せずに経過をみたことは一般的ではない。
〇 生後 2 日 18 時 40 分に口唇チアノーゼを認めた時点で経皮的動脈血酸素飽和度モニターを装着したことは一般的であるが、低出生体重児であることを加味すると医師へ報告せず、経過をみたことは一般的ではない。
〇 生後 3 日、哺乳不良、活気不良、無呼吸を認める状況で血糖測定をせず経過をみた管理は一般的ではない。

事例番号:3000104
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:3000103
〇 「家族からみた経過」によると、妊産婦が妊娠 30 週に胎動の異常(前日から胎動がなくなり、1 日中ピクピクという動きが続いた)を自覚し様子がおかしいと当該分娩機関へ電話した際、「お腹でもしゃっくりすることもある」と説明したのみであれば、その対応は選択されることが少ない。
〇 妊娠 30 週の診療内容(受診理由、主訴、ノンストレステストの判読所見)が診療録に記載されていないことは一般的ではない。
〇 妊娠 30 週外来受診時の胎児心拍数陣痛図で、基線細変動減少を認める状況で、次回受診が妊娠 31 週 6 日であったことは一般的ではない。
〇 妊娠 35 週 6 日に羊水過多のため超音波断層法で消化器・呼吸器系統の異常公表用の有無の確認を行ったことは一般的である。また、新生児搬送を考慮し、妊娠 37 週 4 日の平日日中に帝王切開の予定とし経過をみたことについては賛否両論がある。
〇 帝王切開予定で入院後の胎児心拍数陣痛図で、基線細変動減少を認める状況で、分娩監視装置装着開始から手術室入室まで 3 時間 10 分を要したことについては賛否両論がある。

事例番号:3000102
〇 妊娠 41 週 4 日に、吸湿性子宮頸管拡張材を抜去せず、子宮収縮薬(オキシトシン注射液)の点滴投与を開始していることは基準から逸脱している。
〇 妊娠 41 週 4 日の子宮収縮薬(オキシトシン注射液)の投与方法について、5%ブドウ糖注射液 500mL+オキシトシン注射液 5 単位を 12mL/時間で持続点滴投与を開始したこと、および 10 時 53 分までの増量(30 分から 1 時間 8 分毎に 3-9mL/時間)は一般的であるが、その後の増量(19 分後に 40mL/時間、10 分後に 50mL/時間)、最大投与量を 150mL/時間までとしたことは基準から逸脱している。
〇 子宮収縮薬(オキシトシン注射液)による陣痛促進中に間欠的に分娩監視装置を装着したことは基準から逸脱している。
〇 妊娠 41 週 4 日の 10 時 30 分前後に胎児心拍数陣痛図にて高度遷延一過性徐脈が認められる状態で、10 時 53 分に子宮収縮薬(オキシトシン注射液)を増量したことは基準から逸脱している。
〇 子宮底圧迫法併用の吸引施行の適応を診療録に記載していないことは一
般的ではない

事例番号:3000101
〇 ジノプロストン錠およびジノプロスト注射液の投与方法は基準内であるが、投与中、連続モニタリングが行われていないことは基準から逸脱している。
〇 妊娠 37 週 0 日 19 時 50 分以降の胎児心拍数陣痛図上、基線細変動減少、高度遅発一過性徐脈、高度遷延一過性徐脈を認める状況で、ジノプロスト注射液の投与を継続し、酸素投与のみで経過をみたことは医学的妥当性がない。
〇 分娩監視装置記録の紙送り速度を 1cm/分としたことは基準から逸脱している。

事例番号:3000100
〇 妊娠 38 週 3 日、入院後の胎児心拍数陣痛図上、胎児心拍数波形レベル 4(異常波形・中等度)またはレベル 5(異常波形・高度)の状況で、体位変換、刺激を行い、連続モニタリングをしたことは選択肢のひとつである。ただし、連続モニタリングのみで経過をみていたことは一般的ではない

事例番号:300099
〇 出生時に新生児仮死がなく、生後 1 時間頃に初回直接母乳を試みたことは一般的である。ただし、直接母乳終了後に経皮的動脈血酸素飽和度モニターを装着せずに妊産婦の隣に児を寝かせて退室したことは選択されることは少ない。

事例番号:300098
〇 妊娠 40 週 1 日 5 時 10 分頃から基線細変動増加を伴う軽度遷延一過性徐脈、軽度および高度変動一過性徐脈を繰り返し認める状況で、オキシトシン注射液を増量・継続したことは一般的ではない。
〇 妊娠 40 週 1 日 5 時 50 分頃から胎児心拍数 170 拍/分の頻脈、基線細変動減少を伴う高度変動一過性徐脈、高度遷延一過性徐脈を認める状況で、オキシトシン注射液を継続し、経過をみたことは一般的ではない。
〇 肩甲難産の診断で子宮底圧迫法を実施したことは一般的ではない。
〇 生後 5 分でアプガースコア 5 点(心拍 2 点、呼吸 1 点、筋緊張 1 点、反射 1 点)かつ自発呼吸が確立していない状況(呼吸数 5-10 回/分、努力様呼吸)で、「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、バッグ・マスクによる人工呼吸を終了したことは選択されることは少ない。
〇 重症新生児仮死で出生し、呼吸障害(陥没呼吸など)を認める児の高次医療機関 NICU への搬送が出生から 2 時間 20 分後であったことは選択されることは少ない。

事例番号:300097
〇 妊娠 40 週 5 日のジノプロストン錠の投与方法(投与量、投与間隔)は基準内であるが、投与開始前から分娩監視装置を装着し、連続的モニタリングを行わなかったことは基準から逸脱している。

事例番号:300096
〇 妊娠 39 週 6 日 10 時 45 分頃からの胎児心拍数陣痛図上、胎児心拍数 160 拍/分台の頻脈、高度変動一過性徐脈、高度遷延一過性徐脈を認める状況で、11時 40 分に体位変換のみで経過観察したことは一般的ではない。
〇 「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、胎児心拍数が確認できない状態で子宮口全開大であったため急速遂娩のために 12 時 2 分にオキシトシン注射液の投与を開始したことは一般的ではない。

事例番号:300095
〇 呼吸状態の改善がみられない状態で生後 2 日まで新生児搬送せず、当該分娩機関で管理したことは医学的妥当性がない。

事例番号:300094
□ 学会・職能団体に対して
産科医療の介入がなされていない自宅分娩、車中分娩などの事例の集積を行い、医療的な対策および社会的な対策を検討することが望まれる。

事例番号:300093
〇 妊娠 32 週に外回転術を実施したこと、および外回転術のインフォームドコンセントについて診療録に記載がないことは選択されることは少ない。
〇 骨盤位に対し、経腟分娩を選択したことは選択肢のひとつであるが、「原因分析に係る質問事項および回答書」によると骨盤位経腟分娩を行う際の説明と同意は口頭で行ったとされているが、文書による同意がないことは基準から逸脱している。
〇 胎児心拍数陣痛図の記録速度を 1cm/分としたことは基準から逸脱してい
る。
〇 オキシトシン注射液投与について、文書による説明・同意を得ていないことは基準から逸脱している。
子宮収縮薬の投与法(開始時投与量、増加量・増量間隔)、分娩監視装置による子宮収縮と胎児心拍数の連続的な監視がされていないことは基準から逸脱している。
〇 妊娠 41 週 1 日 13 時 07 分に胎児心拍数 90-150 拍/分の時点で酸素投与をしたことは一般的であるが、オキシトシン注射液を減量または中止せずに投与を継続したこと、頻回子宮収縮を認めている状況で 13 時 16 分にオキシトシン注射液を増量したこと、13 時 50 分以降の胎児心拍数陣痛図で胎児心拍数波形はレベル 5(異常波形・高度)を認めている状況で 14 時 10 分まで帝王切開を決定せずに経過をみたこと、この一連の対応は医学的妥当性がない。

事例番号:300092
〇妊娠 35 週 6 日、電話相談のみでアデノシン三リン酸二ナトリウム水和物注射液を投与したことは選択されることは少ない対応である。

事例番号:300091
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:300090
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:300089
□ 学会・職能団体に対して
入院前に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:300088
〇 子宮収縮抑制不能となり 、内診で子宮口の開大度(全開大)と児頭の位置(Sp+1 から+2cm)から経腟分娩の方針とし、急速遂娩として吸引分娩と子宮底圧迫法を行ったことは選択されることは少ない。

事例番号:300087
□ 学会・職能団体に対して
前期破水で出生した児に感染が認められた事例について集積し、対応指針の作成や、早期診断・予防・治療に関する研究の推進が望まれる。

事例番号:300086
〇 妊娠 34 週 3 日の分娩経過中の管理(分娩監視装置装着、内診の実施)は一般的であるが、妊娠 34 週 3 日 1 時 30 分に胎児心拍数低下と判読した以降の胎児心拍数陣痛図の判読所見と評価について診療録に記載されていないことは一般的ではない。

事例番号:300085
〇 妊娠 40 週 1 日 17 時 05 分に分娩監視装置を終了し、20 時 44 分に分娩監視装置を再装着したことは一般的ではない。
〇 帝王切開決定から 2 時間 29 分後に児娩出としたことは一般的ではない。

事例番号:300084
□ 学会・職能団体に対して
〇 胎児期から新生児期に発症する脳梗塞の原因究明を推進することが望まれる。

事例番号:300083
〇 妊娠 31 週 4 日の 23 時 42 分に妊産婦が腹部緊満感を訴えた際に、分娩監視装置を装着し、胎児心拍数陣痛図において胎児心拍数が正常で、3-4 分間隔の子宮収縮を認めることから、リトドリン塩酸塩注射液の点滴投与を開始したことは賛否両論がある

事例番号:300082
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離について、児の救命が困難な場合や、救命されても脳性麻痺になる危険性があるという現状を広く国民に知らせ、その可能性が疑われた場合には早急に受診するよう、啓発することが望まれる。
□ 常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。


事例番号:300081
□ 学会・職能団体に対して
〇 新生児期に脳出血をきたし、脳性麻痺を発症したと推測される事例を蓄積して、疫学的および病態学的視点から、調査研究を行うことが望まれる。

事例番号:300080
〇 妊娠 31 週 3 日 10 時 33 分に胎児心拍数陣痛図を高度変動一過性徐脈出現と判読したこと、10 時 40 分に切迫早産と診断してリトドリン塩酸塩注射液の点滴を開始し経過観察としたことは一般的ではない。
〇 13 時からの胎児心拍数陣痛図を、基線細変動の減少、中等度遅発一過性徐脈、胎児心拍波形レベル 3 と判読し、心電図検査、胸部レントゲン撮影を実施したことは一般的ではない。
〇 帝王切開決定から児娩出まで 1 時間 11 分を要したことは一般的ではない。
〇 新生児蘇生において、バッグ・マスクによる人工呼吸を速やかに開始したことは一般的であるが、生後 6 分 50 秒に胸骨圧迫を開始したことは一般的ではない。

事例番号:300079
〇 8 時 40 分以降に胎児心拍数が聴取しづらいため助産師 2 名で対応したことは一般的であるが、以降も胎児心拍陣痛図に胎児心拍数が記録されない状態が持続している状況で、医師への診察依頼が 9 時 5 分であったことは一般的ではない。

事例番号:300078
□ 学会・職能団体に対して
原因を特定することが困難な脳性麻痺事例の発症機序解明に関する研究の促進および研究体制の確立が望まれる。

事例番号:300077
□ 学会・職能団体に対して
本事例のように出生後の呼吸抑制により脳性麻痺を発症した事例を集積し、対応および対策について検討することが望まれる。

事例番号:300076
□ 学会・職能団体に対して
胎児期の脳室内出血および水頭症に関する疫学、病態について調査研究を
行うことが望まれる。

事例番号:300075
〇 妊娠 40 週 1 日 22 時頃から胎児心拍数陣痛図上、繰り返す軽度変動一過性徐脈、高度遅発一過性徐脈を認める状況で、オキシトシン注射液の投与を継続したことは一般的ではない。
〇 妊娠 40 週 2 日の胎児心拍数陣痛図上、2 時 30 分頃から基線細変動減少、軽度および高度変動一過性徐脈、高度遅発一過性徐脈、2 時 45 分頃から基線細変動消失を認める状況で、経過観察とし医師への報告が 3 時であったことは一般的ではない。

事例番号:300074
□ 学会・職能団体に対して
早産期の脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。

事例番号:300073
□ 学会・職能団体に対して
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。


事例番号:300072
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:300071
□ 学会・職能団体に対して
わが国における子宮破裂の発生頻度や発生状況について全国的な調査を行い、子宮破裂の関連因子および発症予防法について検討することが望まれる。


事例番号:300070
〇 妊娠 40 週 6 日、0 時 50 分頃以降、基線細変動は中等度保たれているが、高度遅発一過性徐脈および軽度遷延一過性徐脈を認める状況で、急速遂娩を選択しなかったことの医学的妥当性は賛否両論がある。

事例番号:300069
□ 学会・職能団体に対して
胎児期から新生児期に発症する脳梗塞の原因究明を推進することが望まれる。

事例番号:300068
〇 妊娠 30 週 1 日 17 時 20 分に、前日からの性器出血に加えて下腹痛が認められる状況で、直ちに受診を指示せず、経過観察としたことは一般的ではない。

事例番号:300067
□ 学会・職能団体に対して
国・地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。

事例番号:300066
〇 メトロイリンテル挿入中の分娩監視方法(分娩監視装置の断続的装着)は基準から逸脱している。
〇 妊娠 41 週 3 日の分娩誘発(ジノプロストン錠、オキシトシン注射液投与)中の分娩監視装置装着は概ね一般的である。
〇 ジノプロストン錠の投与方法は基準内であるが、オキシトシン注射液の開始時投与量(「原因分析に係る質問事項および回答書」によるとオキシトシン注射液 5 単位を、乳酸リンゲル液 500mL に溶解し 15mL/時間で持続投与開始)、増量法(開始から20 分後に増量、15-30mL/時間増量)は基準から逸脱している。
〇 胎児心拍数陣痛図上 13 時 53 分頃より高度遅発一過性徐脈の頻発と高度遷延一過性徐脈を認め 14 時 6 分以降基線細変動消失を伴う徐脈を認める状態で看護スタッフが 14 時 14 分に医師に連絡したことは一般的ではない。
〇 14 時 28 分に子宮口全開大となる前に急速遂娩として子宮底圧迫法と吸引分娩を実施したことは基準から逸脱している。

事例番号:300065
〇 搬送元分娩機関における外来での妊娠中の管理は、選択されることの少ない対応である。
〇 搬送元分娩機関において、妊娠 26 週 5 日に切迫早産および妊娠高血圧症候群と診断し入院としたことは選択されることの少ない対応である。

事例番号:300064
〇 搬送元分娩機関において、妊娠 33 週 6 日に胎児の腸管拡張を認めたが経過良好と判断し、2 週間後の受診としたことは選択されることの少ない対応である。
〇 妊娠 34 週 3 日入院後の対応については賛否両論がある。

事例番号:300063
〇 微弱陣痛・遷延分娩の診断を行い、急速遂娩として子宮口全開大から 42 分後に吸引を実施したことは選択されることは少ない。
〇  吸引で有効な児頭下降がみられず、「事例の概要」についての確認書によると、児頭の位置が Sp±0cm から+1cm の状況で、鉗子による牽引に切り替えた対応は選択されることが少ない。鉗子による牽引施行時の児頭の位置および回旋についての記載がないこと、および初回の鉗子による牽引により児頭下降がみられない状況で、その後も続けて計 3 回施行したことは一般的ではない。

事例番号:300062
〇 妊娠 39 週 3 日 7 時の胎児心拍数陣痛図の判読(リアシュアリング)と対応(オキシトシン注射液による陣痛促進開始)は一般的ではない。
〇 7 時 30 分以降もオキシトシン注射液の投与を継続したことは一般的ではない。
〇 17 時 30 分に徐脈の頻度が増加してきているため急速遂娩(子宮底圧迫法と吸引術)が必要であると判断したことは一般的である。児頭の位置 Sp+1cmの状況で、子宮底圧迫法の単独実施を行ったことは選択されることは少ない。





事例番号:300061
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:300060
〇 2時 17分まで胎児心拍を確認した記録がないことは、受け入れ要請があってから準備をする時間やその時の内診所見が子宮口全開大であったことを考慮するとやむを得ないという意見と、一般的ではないという意見の両論がある。
〇 子宮収縮薬(糖類製剤500mLにオキシトシン注射液2単位を溶解)の増量間隔は基準内であるが、開始時投与量(60mL/時間)、14時3分の増加量(60mL/時間)は基準から逸脱している。
〇 子宮底圧迫法の適応および児頭の位置についての記載がないことは一般的ではない。

事例番号:300059
〇 ジノプロストン錠の投与方法は基準内であるが、投与中の6時44分から13時4分の間、連続モニタリングを行わなかったことは基準から逸脱している。

事例番号:300058
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:300057
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:300056
〇 11 時10分以降胎児心拍数波形レベル 3の状態における看護スタッフの判読と対応(早発一過性徐脈あり、リアシュアリングと判読、経過観察し14 時10 分に医師に診察依頼)は選択されることが少ない。
〇 胎児心拍数波形レベル 3の状態で14時38分から15時56分まで、分娩監視装置装着による連続監視を行わずに経過観察したことは選択されることの少ない対応である。
〇 16 時30分頃より胎児心拍数波形レベル 4の状態で、16 時45分まで酸素投与で経過をみたことは一般的ではない。
〇 吸引分娩の要約(児頭の位置)、吸引分娩および子宮底圧迫法の適応と実施方法(回数・時間)の記載がないことは一般的ではない。

事例番号:300055
□ 学会・職能団体に対して
原因不明の脳性麻痺の事例集積を行い、その病態についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:300054
□ 学会・職能団体に対して
地方自治体に対して、妊娠中のB群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠 35週から37週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:300053
□ 学会・職能団体に対して
国・地方自治体に対して、妊娠中のB群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠 35週から37週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:300052
□ 学会・職能団体に対して
胎児期から新生児期に発症する脳梗塞の原因究明や治療法の解明を推進することが望まれる。

事例番号:300051
〇 口頭による説明と同意を行ったことおよびその旨について記載がないことは一般的ではない。

事例番号:300050
特になし

事例番号:300049
〇 妊娠32週1日、前期破水し、早産が予測される状況で児の肺成熟を促す対応が検討されていないことは一般的ではない。
〇 妊娠32週1日、早産児、既破水であり推定体重 2000g未満である状況で連続モニタリングを行なっていないことは一般的ではない。
〇 妊娠 32 週1日、21時30分からの胎児心拍数陣痛図で胎児心拍数基線 100-120拍/分、高度遅発一過性徐脈の反復を認める状況で、帝王切開の準備をしながら経腟分娩の方針で経過をみたことは一般的ではない。

事例番号:300048
□ 学会・職能団体に対して
国・地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠35 週から37週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:300047
〇 出生前のオキシトシン注射液の投与について、「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、産後の出血に備えて出産前に血管確保の目的とされており、使用方法は医学的妥当性がない。
〇 オキシトシン注射液投与に際して、文書による説明をおこなわず口頭の説明のみとしたことは一般的ではない。
〇 オキシトシン注射液投与について、「原因分析に係る質問事項および回答書」によると開始時投与量は当該分娩機関のオキシトシン点滴に関するプロトコールに沿って5%ブドウ糖注射液 500mL+オキシトシン注射液5単位1アンプルを9mL/時間にて点滴開始した、とされており、開始時投与量および投与中に分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングしたことは一般的である。しかし、投与量が診療録に記載されていないことは一般的ではない。

事例番号:300046
〇 妊娠33週3日搬送元分娩機関において、リトドリン塩酸塩注射液の開始時投与量は一般的ではない。

事例番号:300045
〇 無呼吸を頻回に認める状況で、小児科医に相談せずに経過観察したことは選択されることは少ない。

事例番号:300044
〇 陣痛発来した妊産婦の腹部緊満の増悪に対してジクロフェナクナトリウム坐剤を用いたことは、医学的妥当性がない。
〇 入院後、妊娠38週2日に帝王切開を予定し、子宮収縮抑制薬(リトドリン塩酸塩注射液)を使用し続けたことは、賛否両論がある。
〇 妊娠38 週2 日の2 時49 分(胎児心拍数陣痛図の印字時刻)の時点で、胎児心拍数陣痛図上、基線細変動の減少および胎児心拍数80拍/分台までの一過性徐脈が認められた直後に分娩監視装置を終了したことは一般的でない。

事例番号:300043
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症の原因を解明することが困難な事例について集積し、原因や発生機序について、研究の推進が望まれる。

事例番号:300042
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:300041
〇 新生児蘇生に関して、アプガースコアの詳細や児の状態を観察した時刻等を診療録に記載していないことは一般的ではない。

事例番号:300040
〇 妊娠39週0日の入院時の胎児心拍数陣痛図上、基線細変動の減少、一過性頻脈の消失、反復する遅発一過性徐脈が認められ、血液検査にて母体貧血が認められている状態で、帝王切開の決定までに約 2 時間を要していることについては賛否両論がある。

事例番号:300039
□ 学会・職能団体に対して
国・地方自治体に対して、妊娠中のB群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドラインで推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリーニング)を妊娠35週から37週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:300038
□ 国・地方自治体に対して
入院前に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例の発症機序解明に関する研究の推進および研究体制の確立に向けて、学会・職能団体への支援が望まれる。

事例番号:300037
〇 外来の胎児心拍数陣痛図で遅発一過性徐脈を疑っている状況で、入院後14時38分まで分娩監視装置を装着せず経過観察としたこと一般的ではない。
胎児心拍数陣痛図の記録速度が 1cm/分であることは、基準から逸脱している。

事例番号:300036
〇 搬送元分娩機関において、妊娠27週6日以降、胎児心拍数陣痛図上、頻脈と遅発一過性徐脈を認める状況で、分娩監視装置による監視を強化せず、妊娠28週1日まで経過観察していたことは選択されることの少ない対応である。

事例番号:300035
〇 当該分娩機関において、妊娠31週3日および妊娠33週1日に胎児発育不全のため超音波断層法およびノンストレステストを行い、外来にて経過観察としたことは賛否両論がある。

事例番号:300034
〇 医師の対応(酸素投与の必要なく、様子観察としたこと)は一般的ではない。
〇 妊娠39週5 日6 時50分および7時00分の胎児心拍数陣痛図に対して医師が経過観察としたことは一般的ではない。
〇 助産師が胎児心拍数陣痛図を基線細変動減少と判読し9時に医師に報告したこと、および医師の対応(本日昼に帝王切開の方針としたこと)は一般的ではない。
〇 帝王切開決定から1時間19 分後に児を娩出したことは一般的ではない。

事例番号:300033
□ 学会・職能団体に対して
入院前(陣痛開始前)に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。
国・地方自治体に対して、妊娠中のB群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠35 週から37週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:300032
〇 妊娠38週の妊婦健診において、高血圧と蛋白尿を認め、妊娠高血圧腎症と判断される状態であるが、入院とせず、外来管理をしたことは基準から逸脱している。
〇 妊娠39 週4日8 時15分頃より胎児心拍波形レベル 3から4(胎児心拍数基線頻脈、軽度および高度遅発一過性徐脈ならびに軽度変動一過性徐脈)の状態で、8時55分にオキシトシン注射液の点滴を開始し継続したことは選択されることは少ない対応である。
〇 まだ子宮口全開大しておらず、児頭の位置がSp-1であった14時頃までオキシトシンを継続していたこと、胎児心拍波形レベル 5(基線細変動の減少、反復する高度遅発一過性徐脈)となった14 時頃以降もオキシトシン注射液を継続していたことは一般的ではない。
〇 子宮収縮薬の投与について、ジノプロストン錠の投与時刻、ジノプロスト注射液・オキシトシン注射液の増量の時刻および投与量について診療録に記載がないことは一般的ではない。

事例番号:300031
特になし

事例番号:300030
〇 子宮底長および超音波断層法の値より胎児発育不全と診断せず経過観察をしたことは一般的ではない。
〇 妊娠35週3日、35週4日の胎児心拍数陣痛図の所見で基線細変動の消失、高度遅発一過性徐脈の出現が認められる状況で、急速遂娩を実施せず、経過観察したことは劣っている。
〇 妊娠35週5日入院後の胎児心拍数陣痛図でレベル 5(異常波形・高度)が認められる状況で、急速遂娩を行わず、経腟分娩として経過観察したことは劣っている。

事例番号:300029
〇 微弱陣痛と判断し分娩促進を行ったことは選択肢のひとつであるが、子宮収縮薬使用にあたり、「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、分娩促進に関する妊産婦への説明と同意は口頭で行い診療録に記載しなかったとされており、説明と同意について診療録に記載がないことは基準から逸脱している。
〇 オキシトシン注射薬による分娩促進において 、開始時投与量(5%ブドウ糖注射液500mLにオキシトシン注射液5単位、1アンプルを溶解し40mL/時間で投与開始)、増量(投与開始9分後に50mL/時間へ増量)は基準から逸脱している。
〇 子宮収縮薬を投与後、胎児心拍数低下のため、急速遂娩が必要であると判断したことは適確である。しかし、吸引分娩の要約(児頭の位置)が診療録に記載されていないことは一般的ではない。

事例番号:300028
〇 「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、吸引分娩直前には、口頭で看護スタッフに、子宮口全開大、児頭の位置Sp-1cmと説明したとされており、児頭の位置がSp-1cmであったとすれば基準から逸脱している。
〇 生後8分に頻脈および経皮的動脈血酸素飽和度の低下を認めており、この状態で生後10 分と生後27 分に児を妊産婦に抱っこさせたことは一般的ではない。
〇 生後38分に抗菌薬(セフチゾキシムナトリウム)の座薬を投与したことは選択されることの少ない対応である。

事例番号:300027
〇 帝王切開を決定後、児娩出までに1 時間34 分を要したことは賛否両論がある。

事例番号:300026
〇 分娩誘発・分娩促進に関して口頭による説明と同意を行ったことは一般的であるが、その旨を診療録に記載しなかったことは一般的ではない。
〇 ジノプロストン錠の投与量、投与間隔は基準内である。ジノプロストン錠内服の際、連続モニタリングを行わなかったことは基準から逸脱している。
〇 子宮収縮薬(オキシトシン注射液5単位を糖類製剤500mに溶解)の開始時投与量・増加量および投与中に連続モニタリングを行ったことは基準内であるが、増した時刻について診療録に記載がないことは一般的ではない。

事例番号:300025
〇 妊娠41週0日、メトロイリンテルと子宮収縮薬を併用する際、メトロイリンテル挿入から1時間以上分娩監視装置による観察を行わずに子宮収縮薬(オキシトシン注射液)の点滴投与を開始したことは一般的ではない。
〇 子宮収縮薬投与中に間欠的に分娩監視装置を装着したことは基準から逸脱している。

事例番号:300024
□ 学会・職能団体に対して
早産期の脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。

事例番号:300023
〇 妊娠39週2日8 時15分の胎児心拍数陣痛図を一過性頻脈乏しめ、基線細変動ありと判読し経過観察としたことは一般的ではない。

事例番号:300022
〇 微弱陣痛にてオキシトシン注射液による陣痛促進を開始したこと、文書により同意を得たことおよび開始時投与量(オキシトシン注射液5単位1アンプルを5%ブドウ糖注射液500mLに溶解し10mL/時間で投与開始)は一般的であるが、15時30分から17時までの増量方法(15-25分で10mL/時間を増量)は基準から逸脱している。
〇 生後2 日、体温(肛門)38.4℃、心拍数170-200回/分、呼吸数70 回/分、左手足痙攣様の動きを認める状況で、痙攣様発作が止まった後に医師へ連絡したことは一般的ではない。

事例番号:300021
〇 帝王切開後経腟分娩を希望する妊産婦が、陣痛発来で入院してきた状況で分娩監視装置を終了したことは基準から逸脱している。
〇 妊娠経過中および入院時にザイツ法(+)の所見を認める状況で、帝王切開後経腟分娩の方針を維持し経過をみる方針としたことは一般的ではない。
〇 4時7分、妊産婦の痛みが強くなり、陣痛室へ移動し分娩監視装置を装着したことは一般的であるが、4時35分に分娩監視装置を終了したこと、強い痛みを訴える妊産婦に呼吸法を促すのみで経過をみた対応は一般的ではない。

事例番号:300020
〇 4 時44 分に、超音波断層法で常位胎盤早期剥離を疑う所見を確認後、児娩出まで1時間36 分を要したことは一般的ではない。

事例番号:300019
〇 妊娠34週1日10時19分からの胎児心拍数陣痛図上、胎児頻脈、一過性頻脈の消失、基線細変動減少の所見を認める状況で、入院後に直ちに帝王切開を決定しなかったことの医学的妥当性には賛否両論がある。

事例番号:300018
〇 分娩監視装置の紙送り記録速度を1cm/分としたことは基準から逸脱している。
〇 子宮底圧迫法併用の吸引分娩開始時の児頭の位置や牽引時間等を診療録に記載していないことは一般的ではない。

事例番号:300017
〇 妊娠38週1日に「原因分析に係る質問事項および回答書」によると胎動減少と基線細変動の適応で分娩誘発としたことは選択肢のひとつであるが、分娩誘発について口頭でのみ説明を行い診療録に記載しなかったことは基準から逸脱している。
〇 メトロイリンテルにて分娩誘発を実施したことは一般的であるが、分娩監視装置を連続装着しなかったことは基準から逸脱している。
〇 ジノプロストン錠の投与方法(メトロイリンテル挿入1時間以上経過後に1錠内服)は一般的であるが、ジノプロストン錠投与前および投与中に分娩監視装置を装着しなかったことは基準から逸脱している。

事例番号:300016
□ 学会・職能団体に対して
入院前(陣痛開始前)に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。
国・地方自治体に対して、妊娠中のB群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠35 週から37週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:300015
〇 オキシトシン注射液の開始時投与量(5%ブトウ糖 500mLにオキシトシン注射液5単位を溶解し12mL/時間で投与開始)および分娩監視法(分娩監視装置による連続監視)は基準内であるが、13時30分の時点での増量法(14mL/時間増量)は医師の裁量の範囲内で選択肢のひとつであるという意見と基準から逸脱しているという意見の両論がある。
〇 母体疲労、微弱陣痛、分娩遷延のため吸引分娩としたことは一般的であるが、吸引術の着手時点での要約(子宮口開大度・児頭の位置)が診療録に記載されていないことは一般的ではない。

事例番号:300014
〇 妊娠38 週6日入院時から児娩出までに、胎児心拍数陣痛図上、繰り返す高度遅発一過性徐脈、基線細変動の減少が出現している状態で、17時43分に分娩監視装置を終了したことは一般的ではない。
〇 「家族からみた経過」によると、バッグ・マスクによる人工呼吸を家族(非医療者)が行ったとされており、そうであったとすると一般的ではない。

事例番号:300013
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。
早産児の PVL 発症の病態生理、予防に関して、更なる研究の推進が望まれる。

事例番号:300012
□ 学会・職能団体に対して
連鎖球菌の感染による髄膜炎、敗血症が脳性麻痺発症を引き起こしたと推測される事例について集積し、原因や発生機序について、研究の推進が望まれる。
国・地方自治体に対して、妊娠中のB群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリーニング)を妊娠35週から37週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:300011
特になし

事例番号:300010
□ 学会・職能団体に対して
入院前(陣痛開始前)に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。
国・地方自治体に対して、妊娠中のB群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠35 週から37週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:300009
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。
国・地方自治体に対して、妊娠中のB 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠35 週から37週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:300008
〇 妊娠40週3日の胎児心拍数陣痛図で胎児の健常性が確認できない状態でノンストレステストを終了したことは賛否両論がある。
〇 入院後、胎児心拍数陣痛図で異常波形(基線細変動減少および繰り返す一過性徐脈)が出現している状況に対して、ジノプロストン錠の内服を開始し続行したこと、およびジノプロストン錠使用中の分娩監視方法は一般的ではない。
〇 妊娠40週5日ジノプロストン錠の投与終了以降、分娩監視装置による連続監視を行わずに経過観察されたことは一般的ではない。

事例番号:300007
〇 妊娠39週0日の子宮収縮薬(オキシトシン注射液)使用の適応、医師の判断について、診療録に記載していないことは一般的ではない。
〇 妊娠39 週0日9 時35分に、医師が「胎児心拍数陣痛図で胎児心拍数基線160 拍/分、基線細変動乏しい、明らかな一過性徐脈はなく、子宮収縮薬投与を開始する」と判断し、子宮収縮薬の投与を開始したことについては賛否両論がある。

事例番号:300006
□ 学会・職能団体に対して
胎児期から新生児期に発症する脳梗塞の原因究明を推進することが望まれる。

事例番号:300005
□ 学会・職能団体に対して
妊産婦自身が異常に気づき、早期に連絡したり受診したりできるよう、教育や指導を行う体制(母親学級など)を整備することが望まれる。

事例番号:300004
〇 高次医療機関NICUの診療録によると、出生後の対応(経皮的動脈血酸素飽和度の低下や陥没呼吸が認められる状態に対し酸素投与を行い、経過観察したこと)は一般的であるが、生後1日の16時35分以降、経皮的動脈血酸素飽和度が再び90%以下への低下した状態で16時48 分まで新生児搬送の連絡をせずに管理したことは一般的ではない。

事例番号:300003
特になし

事例番号:300002
〇 重症妊娠高血圧症候群の妊産婦に対して、切迫早産の診断で子宮収縮抑制薬(リトドリン塩酸塩注射液)の点滴投与を行ったことは、一般的ではない。
〇 妊娠32週1日22時45分頃以降、基線細変動の消失および遅発一過性徐脈がともに出現している状況で、急速遂娩を決定せず経過観察としたことは、医学的妥当性がない。帝王切開を決定してから児娩出まで2時間経過していることは、ハイリスク妊娠・分娩を取り扱う施設要件を有する高次病院としては一般的ではない。

事例番号:300001
〇 妊娠13週に血糖109mg/dLを認め、妊娠17週に食事指導のみで経過をみたことは一般的ではない。
〇 妊娠28週−31週の収縮期血圧136-159mmHg、拡張期血圧86-96mmHgで、妊娠31週に尿蛋白(+)、妊娠34週に収縮期血圧143-154mmHg、拡張期血圧90-98mmHg、尿蛋白(3+)、胎児発育不全を認めている状況で、妊娠34週に減塩食指導・血圧降下剤の処方のみで 1 週間後の受診としたことは一般的ではない。
〇 収縮期血圧160-180mmHg台、拡張期血圧100-110mmHg台を認める状況で降圧治療を行わず、帝王切開決定から1時間45分後に児を娩出したことは選択されることが少ない。