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原因分析報告書 事例番号290301〜290415
事例番号:290415
□ 学会・職能団体に対して
早産児の PVL 発症の病態生理、予防に関して更なる研究の推進が望まれる。

事例番号:290414
□ 学会・職能団体に対して
分娩時に重症の低酸素・酸血症を呈しておらず、分娩前にも原因となる事象を指摘し得ない事例がある。
同様の事例を蓄積して、疫学的および病態学的視点から、調査研究を行うことが望まれる。

事例番号:290413
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。
妊産婦と妊産婦を取り巻く環境における禁煙指導を促進することが望まれる。
※喫煙はハイリスク妊娠のリスク因子となる。

事例番号:290412
〇 陣痛促進について文書による説明および同意書を得ていないことは一般的ではない。
〇 5%ブドウ糖注射液 500mL にオキシトシン注射液 5 単位を溶解したオキシトシン点滴投与開始後の分娩監視方法および開始時投与量は一般的であるが、増量法(12-24 分で増量)は一般的ではない。
〇 15 時 33 分に微弱陣痛、胎児心拍異常の診断で急速遂娩として吸引分娩を選択したことは選択肢のひとつであるが、要約(児頭の位置)、方法(吸引回数・牽引開始時刻)が診療録に記載されていないことは一般的ではない。

事例番号:290411
〇 新生児蘇生の処置内容、観察事項等の詳細を診療録に記載していないことは一般的ではない。

事例番号:290410
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。
常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:290409
□ 学会・職能団体に対して
ALTE(乳幼児突発性危急事態)の実態調査、病態解明、防止策を策定することが望まれる。
ALTE に対する注意喚起や知識の普及、周知を行うことが望まれる。

事例番号:290408
〇 15 時 18 分頃以降の胎児心拍数陣痛図所見(高度変動一過性徐脈、基線細変動減少)に対して、オキシトシン注射液を増量したことは選択されることの少ない対応である。
〇 15 時 50 分頃以降の胎児心拍数陣痛図所見(基線細変動減少・高度変動一過性徐脈)および 16 時 17 分頃以降の胎児心拍数陣痛図所見(基線細変動減少・高度遷延一過性徐脈)に対し、オキシトシン注射液の投与を継続・増量し経過観察としたことは一般的ではない。

事例番号:290407
□ 学会・職能団体に対して
国・地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠 35 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:290406
□ 学会・職能団体に対して
入院前(陣痛開始前)に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:290405
□ 学会・職能団体に対して
早産期の脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。

事例番号:290404
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:290403
□ 学会・職能団体に対して
原因不明の脳性麻痺の事例集積を行い、その病態についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:290402
〇 妊娠 39 週 0 日 9 時 27 分以降、胎児心拍数陣痛図で胎児心拍数基線頻脈、基線細変動減少、変動一過性徐脈および高度遅発一過性徐脈を認める状況で急速遂娩を実行せずに経過観察としたことは一般的ではない。

事例番号:290401
〇 分娩誘発に関する妊産婦への説明と同意について、「原因分析にかかる質問事項および回答書」によると口頭で行ったが診療録に記載しなかったとされており、メトロイリンテルの使用については基準内であるが、子宮収縮薬使用に関する説明と同意については一般的ではない。
〇 ジノプロスト注射液の投与量について診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 オキシトシン注射液の投与の開始時投与量(5%ブドウ糖注射液 500mL+オキシトシン注射液 5 単位を溶解し 30mL/時間で投与開始)、増量法(15mL/30-48 分で増量)は基準から逸脱している。
〇 回旋異常(後方後頭位)のため、子宮底圧迫法を併用した吸引分娩を実施したことは一般的ではない。
〇 分娩誘発の適応、吸引分娩の要約と実施時刻について、診療録の記載がないことは一般的ではない。
〇 出生後の新生児の処置は一般的であるが、9時に頻脈(心拍数170回/分)と多呼吸(102回/分)を認め、9時50分に筋緊張低下を認めており13時35分に高次医療機関NICUに新生児搬送したことは賛否両論がある。
〇 吸引分娩で出生し、頻脈、多呼吸を認める新生児の状況とその判断について診療録に医師の記載が乏しいことは一般的ではない。

事例番号:290400
□ 学会・職能団体に対して
妊娠後半期における異常な腹痛は、常位胎盤早期剥離や(切迫)子宮破裂などの際に起こるため、異常な腹痛を感じた際の医療機関への連絡等の対応について、妊産婦に周知することが望まれる。
□ 常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:290399
□ 学会・職能団体に対して
胎児心拍数陣痛図の劣化に関する対応についての指針を検討することが望まれる。
※ 本事例では、胎児心拍数陣痛図の劣化に伴い波形が読みにくかった。胎児心拍数陣痛図は、原因分析にあたりきわめて重要な資料であるため、劣化に関する対応についての指針を検討することが望まれる。

事例番号:290398
〇 生後 10 分に心拍数 40 回/分であったが、生後 20 分に胸骨圧迫を開始したことは一般的ではない。

事例番号:290397
特になし

事例番号:290396
○ 妊娠39週4日15時10分からの胎児心拍数陣痛図で胎児頻脈を認める状況で15時35分に分娩監視装置を一旦終了したことは選択されることは少ない。
○ 胎児心拍数陣痛図の記録速度を1cm/分としたことは基準から逸脱している。

事例番号:290395
○ 分娩経過中の分娩監視装置の紙送り記録速度を1cm/分としたことは基準から逸脱している。
○ 子宮底圧迫法の施行については、広く産科診療で行われている処置であるが、子宮破裂等の有害事象も報告されている。「産婦人科診療ガイドライン-産科編2017」CQ406-2に示される施行時の注意点を順守するとともに、実施時の児頭の位置や開始・終了時間、実施回数についても診療録に記載する必要がある。

事例番号:290394
○ 胎児心拍数陣痛図にて反復する変動一過性徐脈、遷延一過性徐脈が認められた状態で、陣痛促進を開始したことについては賛否両論がある。
○ 陣痛促進の説明を口頭で行い、診療録に記載していないことは一般的ではない。
○ 妊娠40週2日の子宮収縮薬(オキシトシン注射液)の投与方法について、5%ブドウ糖注射液500mL+オキシトシン注射液5単位を20mL/時間で点滴投与を開始したことは一般的ではない。

事例番号:290393
○ 診療録に子宮口全開大を確認した時刻および遷延分娩であると判断した時刻の記載がないことは一般的ではない。

事例番号:290392
○14時33分に分娩監視装置を終了したことは一般的ではない。
※ 胎児機能不全の診断で帝王切開を決定し帝王切開術の準備に時間を要する場合には、児の状態を適切に把握するために手術開始直前まで胎児心拍数モニタリングによる連続監視を実施することが望まれる。
○ 帝王切開決定から1時間48分後に児を娩出したことは選択されることは少ない。

事例番号:290391
○ 妊娠39週3日14時30分の破水後に分娩監視装置を装着せず、間欠的胎児心音聴取のみを実施したことは基準から逸脱している。
※ 破水時は、一定時間(20分以上)分娩監視装置を装着し胎児の健常性の評価を行うことが求められる。

事例番号:290390
○ 連続モニタリング継続、絶飲食とし、16時29分に翌日帝王切開の予定としたことの医学的妥当性には賛否両論がある。

事例番号:290389
○ 妊娠35週の胎児発育不全と診断後、妊娠38週以降の超音波断層法所見(胎児推定体重、羊水量、臍帯動脈血流)について診療録に記載のないことは一般的ではない。
○ 胎児心拍数陣痛図所見を3時30分に胎児心拍数170拍/分、一過性頻脈少ないと判読し経過観察としたこと、4時15分に胎児心拍数160-170拍/分、基線細変動認めない、一過性頻脈認めないと判読したこと、および医師が経過観察の指示をしたことは一般的ではない。
○ 4時47分高度遷延一過性徐脈が認められる状況で、酸素投与にて経過観察したことは一般的ではない。

事例番号:290388
○ 子宮収縮薬投与中に連続モニタリングとしていないことは一般的ではない。

事例番号:290387
□ 学会・職能団体に対して
事例では先進児娩出後の当該児経腟分娩中に胎児機能不全の適応で帝王切開となった。双胎経腟分娩では先進児娩出後の後続児経腟分娩中に臍帯因子、子宮収縮による絨毛間腔の血流低下、胎盤剥離などで胎児が急速に低酸素状態に陥りやすいとされていることから安全性についての調査研究を行うことが望まれる。

事例番号:290386
○ 常位胎盤早期剥離の原因は、妊娠33週2日に実施された外回転術の可能性が高い。
○ 妊娠33週1日に超音波断層法で骨盤位を確認し、嘱託医療機関を介さずに外回転術についてA医療機関へ連絡をとったことは一般的ではない。
○ 「家族からみた経過」によると、同意書の内容・外回転術の危険性については説明されていないとすれば基準から逸脱している。
〇 外回転術実施前後の胎児心拍について、胎児心拍数のみの記載であることは一般的ではない。
※ 助産所における妊産婦の管理においては、「助産業務ガイドライン2014」の「妊婦管理適応リスト」を遵守する必要がある。また、骨盤位の妊婦に対し外回転術などの医療介入を行う場合は嘱託医療機関と連携の上、方針決定する必要がある。

事例番号:290385
○ 「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、分娩促進に関する妊産婦への説明・同意は、口頭で行ったが診療録に記載しなかったとされており、妊産婦に説明し同意を得た内容について診療録に記載していないことは一般的ではない。
○ 残440mLであった点滴内にオキシトシン注射液5単位1アンプルを溶解し15mL/時間で投与開始したことは基準から逸脱している。
○ 吸引分娩における総牽引時間、総牽引回数について診療録に記載がないことは一般的ではない。
○ 出生直後から胸骨圧迫が実施されているが、バッグ・マスクによる人工呼吸を実施せず経過をみたこと、生後20分で10倍希釈アドレナリン注射液を筋肉内投与したことは一般的ではない。
○ 一連の新生児蘇生の経過について診療録へ詳細な記載がないことは一般的ではない。

事例番号:290384
□ 学会・職能団体に対して
入院前(陣痛開始前)に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:290383
〇 胎児心拍数波形の評価や対応について診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 分娩経過中の妊娠高血圧症候群の妊産婦の分娩監視方法は一般的ではない。
〇 妊娠40週5日陣痛促進前に文書による同意を得て微弱陣痛のため13時01分より子宮収縮薬(オキシトシン注射液)による陣痛促進を開始したことは一般的である。また開始時投与量および投与中の分娩監視方法は基準内である。
〇 妊娠40週5日13時40分以降の胎児心拍数陣痛図所見において、胎児心拍数波形が不明瞭で判読が困難であるものの、基線細変動の消失および遅発一過性徐脈を認めており、この状態で子宮収縮薬の減量(1/2以下量への)、あるいは投与中止をせずに経過をみたことは一般的ではない。

事例番号:290382
〇 ジノプロストン錠による陣痛誘発について、文書を用いて説明したことは一般的であるが、同意書を得ていないことは一般的ではない。
〇 妊娠41週0日8時31分に続発性微弱陣痛の適応で、オキシトシン注射液の投与を開始したことは一般的であるが、口頭による説明と同意を行ったことは一般的ではない。

事例番号:290381
〇 12時54分から14時42分までの胎児心拍数陣痛図、および15時4分以降の胎児心拍数陣痛図の所見で胎児心拍数波形レベル3に相当する状態に対し、微弱陣痛の適応でオキシトシン注射液による陣痛促進を勧め、投与を開始したことは選択されることの少ない対応である。
〇 15時15分以降の胎児心拍数陣痛図で基線細変動減少ないし消失に加え、高度変動一過性徐脈が出現している状況に対し、保存的処置の施行や原因検索を行わずにオキシトシン注射液を増量したこと、および経腟分娩を続行したことは一般的ではない。
〇 帝王切開施行に関する説明と同意を口頭のみで、診療録に記載しなかったことは一般的ではない。

事例番号:290380
〇 光線療法を終了後、総ビリルビン値が18.2mg/dLと上昇が認められている状態で生後8日に退院としたこと、および退院後早期の受診を指示せず経過観察としたことは一般的ではない。
※ 新生児の黄疸について、光線療法終了後に再度血中ビリルビン値の上昇が認められる場合には、退院の可否を検討することや、退院後早期の受診を促すこと等、高ビリルビン血症に対する管理に十分な注意を払う必要がある。

事例番号:290379
〇 微弱陣痛、児頭下降が不良のため、子宮底圧迫法を実施したことは選択肢のひとつであるが、開始・終了時刻について記載がないことは一般的ではない。
〇 出生直後の児の状態や処置についての記載がないことは一般的ではない。
※ 医学的に未解明の先天異常の可能性がある事例の集積を行い、その病態を解明する研究を推進することが望まれる。

事例番号:290378
〇 「胎児ジストレス」の診断で帝王切開の方針としてから5時間41分後に児を娩出したことは選択されることが少ない。

事例番号:290377
〇 搬送元分娩機関において、「原因分析に係る質問事項および回答書」によると妊産婦の出血の連絡に対し、すぐ来院するよう説明したとされており対応は適確であるが、診療録に記載がないことは一般的ではない。

事例番号:290376
□ 学会・職能団体に対して
妊産婦自身が無月経などの身体変化に早期に気付き適切な対応ができるような、相談窓口の設置や周知活動などの体制整備を行うことが望まれる。

事例番号:290375
〇 オキシトシン注射液の初回投与量(糖類製剤500mLにオキシトシン注射液5単位を溶解し、12mL/時間で投与を開始)は一般的であるが、増量方法(1時間49分で12mL/時間から48mL/時間へ増量)は基準から逸脱している。

事例番号:290374
〇 妊娠40週5日23時30分頃からの胎児心拍数陣痛図上、基線細変動減少を伴う高度遷延一過性徐脈を認める状況で、体位変換、酸素投与、超音波断層法の実施のみで急速遂娩を選択しなかったこと、および妊娠40週6日7時20分に微弱陣痛の診断でオキシトシン注射液を開始したことは一般的ではない。

事例番号:290373
〇 妊娠41週0日に分娩誘発を行ったことは一般的であるが、分娩誘発の適応が診療録に記載されていないことは一般的ではない。
〇 妊娠41週1日の13時から開始したオキシトシン注射液の開始時投与量は基準内であるが、増量法(10%マルトース水和物注射液500mLにオキシトシン注射液5単位を溶解したものを15-30分で増量したこと、21時10分以降10%マルトース水和物注射液500mLにオキシトシン注射液10単位を溶解したものを8mL/時間で増量したこと)は基準から逸脱している。
〇 吸引術の適応について診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 吸引術の方法(吸引術回数7回、総牽引時間20分以上)は、選択されることの少ない対応である。
〇 手術室入室まで1時間7分の間、分娩監視装置が装着されなかったことは選択されることの少ない対応である。

事例番号:290372
〇 妊娠40週5日にメトロイリンテル(40mL)を挿入後1時間以内にジノプロストン錠の内服投与を開始したことは基準から逸脱している。
〇 妊娠41週1日9時15分にオキシトシン注射液を開始したことは選択肢のひとつであるが、12時以降、急速遂娩の方針とせずオキシトシン注射液を継続・増量したことは医学的妥当性がない。

事例番号:290371
〇 妊娠38週0日11時30分に分娩監視装置を終了し、約2時間後に再装着したことは一般的ではない。
〇 妊娠38週0日13時45分からの胎児心拍数陣痛図において、胎児心拍数は回復良好と判読したことおよび「診療体制等に関する情報」にあるように、医師は立ち会っておらず助産師のみで分娩管理を行ったとすれば一般的ではない。

事例番号:290370
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:290369
□ 学会・職能団体に対して
胎盤病理組織学検査にて絨毛膜羊膜炎が存在しても、母体に明らかな臨床症状が認められない事例について集積し、疫学調査や病態研究等、研究の推進が望まれる。

事例番号:290368
〇 妊娠 39 週 6 日に胎児心拍数陣痛図にて反復する遅発一過性徐脈が認められている状態で、21 時 5 分に凝血塊・流血があり、常位胎盤早期剥離の可能性があると判断した状況で、経過観察したことは選択されることは少ない。

事例番号:290367
□ 学会・職能団体に対して
原因を解明することが困難な脳性麻痺事例について集積し、原因や発生機序について、研究の推進が望まれる。

事例番号:290366
〇 入院後の胎児心拍数陣痛図において、分娩監視装置を装着したまま経過観察、経腟分娩とされたことは賛否両論がある。

事例番号:290365
□ 学会・職能団体に対して
陣痛開始前に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:290364
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:290363
〇 帝王切開の決定から 1 時間 29 分で児を娩出したことには時間がかかりすぎており一般的ではないという意見と、帝王切開に要する準備等を考慮すればやむを得ないとする意見の両論がある。

事例番号:290362
〇 ジノプロストン錠による陣痛誘発中に分娩監視装置による連続モニタリングをせずに、間欠的に分娩監視装置を装着したこと、および最終内服時点から 1 時間以上経ず(11 分後)に分娩監視装置を終了したことは基準から逸脱している。
〇 妊娠 36 週 2 日 0 時 00 分頃以降の胎児心拍数陣痛図でレベル 5(異常波形・高度:基線細変動の消失および反復する高度遅発一過性徐脈)の胎児心拍数波形が認められる状況で、急速遂娩を決定せずに経過観察としたこと、3 時 46分に母体腎機能悪化のため帝王切開を決定した後に児娩出まで 2 時間 18 分を要していることは、いずれも医学的妥当性がない。

事例番号:290361
〇 妊娠 36 週 2 日 0 時 00 分頃以降の胎児心拍数陣痛図でレベル 5(異常波形・高度:基線細変動の消失および反復する高度遅発一過性徐脈)の胎児心拍数波形が認められる状況で、急速遂娩を決定せずに経過観察としたこと、3 時 46分に母体腎機能悪化のため帝王切開を決定した後に児娩出まで 2 時間 18 分を要していることは、いずれも医学的妥当性がない。

事例番号:290360
〇 妊娠 35 週 3 日、4 時 18 分から 6 時 37 分まで「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、分娩監視装置を装着したが胎児心拍数をうまく聴取できずそのまま分娩室へ移動しているとされており、胎児心拍数をうまく聴取できないまま経過観察としたことは一般的ではない。

事例番号:290359
〇 入院後、帝王切開決定から児娩出まで約 2 時間を要したことには賛否両論がある。

事例番号:290358
□ 学会・職能団体に対して
国・地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠 35 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:290357
〇 搬送元分娩機関において、超音波断層法にて臍帯動脈血流の途絶が認められ、胎児心拍数陣痛図にて基線細変動消失の所見と判断している状況で、当該分娩機関への母体搬送までに時間を要していることについては賛否両論がある。

事例番号:290355
□ 学会・職能団体に対して
原因を解明することが困難な事例について集積し、原因や発生機序について、研究の推進が望まれる。
国・地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリーニング)を妊娠 35 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助等によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:290354
〇 妊娠 40 週 2 日の 15 時 45 分頃の胎児心拍数陣痛図の所見およびそれに基づく医師の判断等の記載がないことは一般的ではない。
〇 22 時頃以降、胎児心拍数の異常を認める状況での対応の医学的妥当性には賛否両論がある。

事例番号:290352
〇 妊娠 35 週 0 日 21 時 8 分からの胎児心拍数陣痛図において基線細変動減少、高度遅発一過性徐脈を認める状況で、胎児心拍数波形レベル 2(亜正常波形)-3(異常波形・軽度)と判断したことは一般的ではない。
〇 切迫早産、非対称性胎児発育不全と診断し、ダブルセットアップを行い経腟分娩を試みたことの医学的妥当性には賛否両論がある。
〇 22 時 5 分、胎児心拍数基線 160 拍/分、基線細変動乏しく、遅発一過性徐脈あり、一過性頻脈消失を認め、胎児心拍数波形レベル 4 と判読後、22 時 20 分に分娩監視装置を終了し分娩まで 56 分装着せずに経過したことは一般的ではない。

事例番号:290351
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても適確な診断および予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:290350
〇 搬送元分娩機関において、塩酸リトドリンを投与したことの医学的妥当性には賛否両論ある。

事例番号:290349
□ 学会・職能団体に対して
自宅分娩、車中分娩などになり、医療の介入が間に合わなかった事例の集積を行い、対応策(自宅・車中分娩を未然に防ぐための方法や、自宅・車中分娩に至った場合の新生児蘇生法)を検討することが望まれる。

事例番号:290348
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:290347
〇 生後 8 日に受診した際の対応(受診前日より症状が出現しひきつけのようなものを起こし顔が紫色になっていたという訴えと、受診時左上肢が下がったまま、左顔面麻痺か軽度下垂などの所見に対し、近日中に受診するよう指示したこと)は一般的ではない。

事例番号:290346
〇 妊娠 39 週 5 日 4 時頃、高度変動一過性徐脈の判読に対する対応(体位変換、酸素投与、内診)は一般的であるが、医師への報告が 11 分後になったことは一般的ではない。
〇 胎児心拍数陣痛図の所見(高度遅発一過性徐脈、高度変動一過性徐脈および高度徐脈:レベル 4-5、異常波形・中等度から高度)が認められる状況で急速遂娩としたことは一般的である。その方法として施行した吸引分娩については、回数(3 回)および総牽引時間(「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、4 時 22 分から 4 時 30 分までの 8 分間)は基準内であるが、開始時の子宮口の開大、児頭の位置について診療録に記載がないため、本手技の要約を満たしていたかについては評価できない。

事例番号:290345
〇 妊娠 38 週 5 日 1 時 33 分の胎児心拍数陣痛図を基線細変動乏しい、一過性頻脈なし、一過性徐脈なしと判読し、胎児心拍数波形レベル分類でレベル 2(亜正常波形)と判定し、超音波断層法を実施し BPS を評価したうえで経過観察としたことについては賛否両論がある。

事例番号:290344
〇 妊娠 39 週 4 日のノンストレステストにおいて、「原因分析に係る質問事項および回答書」によると一過性徐脈 1 回、その後軽度変動一過性徐脈あり、経過観察のため、2 日後の受診としたことは一般的ではない。
〇 妊娠 40 週 2 日に子宮口全開大後に努責をかけたが腹圧が弱いため子宮底圧迫法を実施したことは選択肢のひとつである。しかし、子宮底圧迫法の開始時刻、開始時の児頭の位置が診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 吸引分娩術の開始時刻、開始時の児頭の位置が診療録に記載がないことは一般的ではない。

事例番号:290343
〇 吸引開始時刻の記載がないことは一般的ではない。

事例番号:290342
□ 学会・職能団体に対して
早産期の脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。
関連学会等は、早産期に出生した児の超音波断層法検査等の出生後の管理について、会員へ啓蒙することが望まれる。

事例番号:290341
□ 学会・職能団体に対して
受診前に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例 を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:290340
〇 胎児心拍数陣痛図において 23 時 15 分に医師が早発一過性徐脈、回復良好と評価したことは一般的ではない。
〇 生後 3 日の黄疸計で額部 18.2mg/dL、胸部 18.2mg/dL を認めた状況で経過観察としたことは一般的ではない。
〇 生後 4 日の黄疸計で額部 22.6mg/dL、胸部 21.9mg/dL、血液検査(自家検査)で総ビリルビン13.5mg/dL であり、生後 5 日の黄疸計で額部 25.0mg/dL、胸部27.6mg/dL と上昇が認められる状況で経過観察としたことは一般的ではない。
〇 20 時 35 分の血液検査(ラジオメータ)で総ビリルビン 31.1mg/dL、20時 36 分の血液検査(自家検査)での総ビリルビン 22.1mg/dL に対して光線療法を継続し経過観察としたことは一般的ではない。

事例番号:290339
〇 妊娠 37 週 3 日 3 時 18 分頃から 3 時 32 分頃の胎児心拍数波形を早発一過性徐脈と判読したことは一般的ではない。
〇 3 時 32 分以降の胎児心拍数陣痛図に対して、経過観察をしたことは選択されることの少ない対応である。
〇 新生児蘇生(生後 3 分での気管挿管、胸骨圧迫)は選択されることの少ない対応である。

事例番号:290338
〇 分娩監視装置の記録速度を 1cm/分としたことは基準から逸脱している。
〇 新生児蘇生について、実施した詳細な処置内容を診療録に記載していないことは一般的ではない。

事例番号:290337
□ 学会・職能団体に対して
原因を特定できない新生児期の呼吸停止についての実態調査、病態解明、防止策を策定することが望まれる。
地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠 33 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:290336
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:290335
〇 受診から 22 時までの対応(分娩監視装置の装着、内診、経過観察としたこと)には賛否両論がある。

事例番号:290334
〇 出生後の児に低血糖を認める状況で、5%ブドウ糖液の経口投与のみで経過を観察したことは一般的ではない。

事例番号:290333
□ 学会・職能団体に対して
一絨毛膜二羊膜双胎における脳性麻痺発症の原因究明と予防に関する研究の推進が望まれる。

事例番号:290332
〇 妊娠 29 週以降、経口摂取不良、体重減少している状態で、ビタミン・微量元素などの栄養素の補充をせずに長期にわたる末梢輸液療法のみで経過観察したことは一般的ではない。
※ 日本静脈経腸栄養学会「静脈経腸栄養ガイドライン第 3 版」によれば、妊婦の場合、経口摂取が 2 週間以上不十分な場合は静脈栄養で管理すること、投与開始時から十分なビタミン B1、カリウム、リンを補充することが推奨されている。また、2 週間以上にわたって症状が遷延して十分な経口摂取ができず体重減少や栄養障害が著しい場合は TPN(高カロリー輸液)を施行すると記載されている。
〇 妊娠 34 週 1 日 9 時 45 分からのノンストレステストで胎児心拍数基線が 115 拍/分と妊娠 33 週 5 日の胎児心拍数基線に比べて低下し、10 時 10 分頃からは低酸素血症、脳循環不全を示唆するチェックマークパターンを認め、11 時 13 分の分娩監視装置終了まで解釈不明な異常胎児心拍パターンが出現している状態で、分娩監視を終了としたことは選択されることは少ない。
※ 異常胎児心拍パターンが出現した場合には胎児の状態を継続して観察することが重要である。

事例番号:290331
〇 15 時 36 分から高度遅発一過性徐脈を認める状態で、オキシトシン注射液の投与を継続したことは一般的ではない。
〇 子宮収縮薬(オキシトシン注射薬)使用中に、分娩監視装置を終了しその後 3 時間以上装着していないことは基準から逸脱している。
〇 17 時 55 分、破水を認めた後、すみやかに胎児心拍数を確認していないことは一般的ではない。
〇 18 時 25 分に胎児心拍数 85 拍/分を認め、分娩準備、酸素投与、妊産婦への呼吸法指導を行なったことは一般的であるが、医師への連絡が 18 時 45 分であったことは一般的ではない。
〇 子宮底圧迫法の終了時刻、実施回数が診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 新生児蘇生について診療録に詳細な記載がないことは一般的ではない。

事例番号:290330
〇 新生児蘇生のうちバッグ・マスクによる人工呼吸、気管挿管を実施したことおよび当該分娩機関 NICU へ入院管理としたことは一般的であるが、生後 17 分に胸骨圧迫を開始したこと、あるいはそれ以前に行われていたとすれば、診療録に記載がないことは一般的ではない。

事例番号:290329
□ 学会・職能団体に対して
子宮内感染が原因と考えられる脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。

事例番号:290328
□ 学会・職能団体に対して
入院前(陣痛開始前)に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。
妊娠満期以降、全例にノンストレステストを実施し胎児の健常性を評価することにおける効果を検証することが望まれる。
※ 「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2014」では、ノンストレステストは、妊娠41 週以降ならびに、胎動減少や胎児発育不全、合併症妊娠などの異常時に行うことが推奨されている。

事例番号:290327
〇 連続モニタリング管理および手術前の検査の指示のみであったこと、6 時 40 分に胎児機能不全のため帝王切開を決定したことは一般的ではない。

事例番号:290326
〇 「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、分娩誘発に関する説明 は口頭で行い同意を得たとされており、その対応は一般的ではない。
〇 メトロイリンテル挿入時刻の記載がないことは一般的ではない。
〇 「原因分析に係る質問事項および回答書」によると、子宮収縮薬(乳酸リンゲル液 500mL に、ジノプロスト注射液 3000 単位を溶解)の開始時投与量、増量間隔、最大投与量は基準内であるが、増加量(30mL/時間)は基準から逸脱している。

事例番号:290325
〇 妊娠 37 週 1 日の胎児心拍数陣痛図の記録速度が 1cm/分で記録されていたことは一般的ではない。
〇 妊娠 37 週 1 日妊婦健診時の胎児心拍数陣痛図の判読(基線細変動正常)については両論がある。

事例番号:290324
〇 子宮収縮薬(オキシトシン注射薬)使用の適応(微弱陣痛)は一般的である。管理方法(投与開始前から分娩監視装置を装着し連続モニタリング)、初期投与量、増量は基準内である。しかし、子宮収縮薬投与にあたって説明し同意を得たことを診療録に記載していないことは一般的ではない。
〇 15 時から 15 時 50 分頃の胎児心拍数陣痛図を「リアクティブ」と記載したことは一般的ではない。
〇 吸引分娩の開始時刻、適応、要約、滑脱回数について診療録に記載がないことは一般的ではない。

事例番号:290323
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる異常所見を見出すことができない脳性麻痺事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。
国・地方自治体に対して、妊娠中の B 群溶血性連鎖球菌スクリーニングを、「産婦人科診療ガイドライン」で推奨する時期に公的補助下に一律に実施できる制度を構築するよう働きかけることが望まれる。
※ 「産婦人科診療ガイドライン-産科編 2017」では、腟分泌物培養検査(GBS スクリ-ニング)を妊娠 35 週から 37 週に実施することを推奨しているが、検査費用の公的補助制度によって同時期の実施が難しい地域がある。

事例番号:290322
□ 学会・職能団体に対して
入院前(陣痛開始前)に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:290321
〇 出生後、高体温が続き、体重減少が大きく、哺乳力の低下が認められた状態の児を経過観察したことは選択されることは少ない。

事例番号:290320
〇 子宮収縮薬投与中に分娩監視装置を外したことは基準から逸脱している。
〇 妊娠 41 週 4 日 15 時 50 分に看護スタッフが胎児心拍数陣痛図を早発一過性徐脈と判読し経過観察したことは一般的ではない。また、16 時に子宮収縮薬を増量したことは、一般的でない。

事例番号:290319
〇 吸引術実施の際の内診所見(児頭の位置)、子宮底圧迫法の実施回数について診療録に記載がないことは一般的ではない。

事例番号:290318
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症に関与すると考えられる事象を見出すことが困難な事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:290316
□ 学会・職能団体に対して
常位胎盤早期剥離は、最近の周産期管理においても予知が極めて困難であるため、周産期死亡や妊産婦死亡に密接に関与する。常位胎盤早期剥離の発生機序の解明、予防法、早期診断に関する研究を推進することが望まれる。

事例番号:290315
〇 出生直後の新生児の状況(1 回自発呼吸あるが以降なし、刺激に対して啼泣せず)に対して生後 3 分にバッグ・マスクによる人工呼吸を開始したことは一般的ではない。

事例番号:290314
〇 陣痛誘発を行なったことは選択肢のひとつである。しかし、陣痛誘発の適応について診療録に記載のないことは一般的ではない。
〇 オキシトシン注射液による陣痛誘発を行う際に、文書によるインフォームドコンセントを得ていないことは基準から逸脱している。
〇 子宮底圧迫法を併用した吸引分娩を行った際の適応と要約について診療録に記載がないことは一般的ではない。また、診療録および胎児心拍数陣痛図から重篤な胎児機能不全や分娩第 2 期遷延の所見を認めないことから、子宮底圧迫法を併用した吸引分娩を行ったことは一般的ではない。
〇 頭部クーリングが行なわれている状況で、頭部クーリングが必要と判断した状況、頭部の所見、その後の経過について評価し、診療録に記載のないことは一般的ではない。

事例番号:290313
□ 学会・職能団体に対して
母児間輸血症候群の発症について、その病態、原因、リスク因子の解明が望まれる。

事例番号:290312
〇 紹介元分娩機関における妊娠 31 週の妊婦健診で胎児発育不全を疑った時点で、周産期管理が可能な高次医療機関に紹介しなかったことは一般的ではない。
〇 妊娠 33 週 4 日の妊婦健診で胎児発育不全に羊水過少を合併していると診断し、その 4 日後に高次医療機関を受診としたことは選択されることは少ない。

事例番号:290311
□ 学会・職能団体に対して
陣痛開始前に発症した異常が PVL を引き起こしたと推定される事例を集積し、研究を推進することが望まれる。

事例番号:290310
〇 子宮底圧迫法実施の適応、実施時の児頭の位置、実施回数等について診療録に記載していないことは一般的ではない。

事例番号:290309
〇 胎児心拍数陣痛図を1 p/分で記録したことは一般的ではない。
〇 妊娠 40 週 0 日の胎児心拍数陣痛図は記録速度が 1cm/分のため判読が困難であるが、2 時 30 分に繰り返す遅発一過性徐脈を認める状態で、妊産婦に酸素投与のみを行い、その後も経過観察を続けたことは一般的ではない。
〇 吸引分娩実施時の児頭の位置について診療録に記載がないことは一般的ではない。

事例番号:290308
□ 学会・職能団体に対して
脳性麻痺発症の原因を解明する事が極めて困難な事例を集積し、疫学調査や病態研究等、原因解明につながる研究を推進することが望まれる。

事例番号:290307
〇 分娩第T期での間欠的胎児心拍聴取の間隔は基準から逸脱している。
〇 妊娠 38 週 6 日 15 時 43 分の自然破水時に胎児心拍数が 120 拍/分から 100
拍/分台へ低下した後、分娩監視装置を一定時間(20 分以上)装着しなかったことは一般的ではない。
〇 妊娠 38 週 6 日 19 時 16 分に分娩監視装置を装着後、胎児心拍数陣痛図の胎-児心拍波形が不鮮明な記録のまま経過観察したことは選択されることは少ない対応である。
〇 胎児心拍数陣痛図の記録速度を 2cm/分としたことは基準から逸脱している。
〇 新生児蘇生(心拍数80 回/分台で胸骨圧迫を開始したこと、心拍数 100 回/分以上を認める状況で胸骨圧迫を続けたこと、バッグ・マスクによる人工呼吸中に足底刺激を継続したこと)は一般的ではない。

事例番号:290306
〇 妊娠 30 週 2 日、超音波断層法にて胎児の異常が疑われる所見が認められた状態で、ノンストレステストなどの胎児の健常性を評価する検査を行わずに 2 日後の受診を指示したことは選択されることは少ない。

事例番号:290305
〇 搬送元分娩機関において、早産既往のある妊産婦に対して超音波断層法による子宮頸管長の評価が行われずに管理されていたことは選択されることが少ない対応である。

事例番号:290304
□ 学会・職能団体に対して
入院前(陣痛開始前)に発症した異常が中枢神経障害を引き起こしたと推測される事例を集積し、原因や発症機序についての研究を推進することが望まれる。

事例番号:290303
〇 分娩誘発について、口頭による説明であったこと、適応および同意の有無について診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 投与中に連続的にモニタリングされていない時間があることは一般的ではない。

事例番号:290302
〇 入院時の胎児心拍数波形の評価について診療録に記載がないことは一般的ではない。
〇 出生後の低血糖に対する管理(カテーテルを胃内に挿入しブドウ糖液を注入したこと、その後も低血糖を認めたが経過観察としたこと)は一般的ではない。
〇 生後約 1 時間30 分から経皮的動脈血酸素飽和度 61-79%、努力呼吸様でその後も呼吸障害が遷延し、低血糖が持続している状況で高次医療機関 NICU への搬送決定まで約 8 時間にわたり経過観察をしたことは一般的ではない。

事例番号:290301
□ 学会・職能団体に対して
早産期の脳性麻痺発症の原因や病態生理に関して、更なる研究の推進が望まれる。